年金と税金~扶養親族等申告書で税金が変わる~
年金からも税金がひかれることはご存知でしょうか?
国や基金等の老齢(退職)年金には所得税がかかります。所得税は年金の支払者(=厚生労働省等)が、支払い時に源泉徴収します。国からの年金額が65歳未満で108万円以上、65歳以上の場合は158万円以上あると、源泉徴収されます。この段落の最初の部分に、「老齢(退職)年金には」と書いています。そう、遺族年金と障害年金は非課税です。2つ以上の年金をもらっている場合は、税金がかかるか否かで選択方法もよく考えないと損してしまうこともあり得ます。
ちなみに、源泉徴収とは、支払者が支払いの際に税金をを差し引いて、それを国等に納付する制度です。
自動的に引いてくれるんだから、まぁ、間違ってないんじゃない??と思っていると、実は多く税金ひかれてたよ、なんてこともあり得なくはないです。
老齢(退職)年金の源泉徴収の際に、所得控除を受けることが出来ます。所得控除とは所得税額を計算するときに各納税者の個人的事情を加味しようとしてくれるものです。
その個人的事情を教えてくださいというものが、「扶養親族等申告書」です。
その名の通り、この書類は、扶養親族はいますかー?とか、障害はないですかー?とか、聞いてくれています。
該当の方がいるとその分控除額が高くなります。控除額が高くなると、元の所得から引いていいですよ、という金額が高くなるので、税金を計算する時の元となる所得が低いことにしてもらえるんですよね。イコール税金が安くなります。
申告内容は正しく記載されてますでしょうか?
今年は8月末より、年金機構から扶養親族等申告書が発送されています。
例年は10月に届いていたのですが、税制改正により、平成29年分の税務署提出用の公的年金等の受給者の源泉徴収票(平成30年1月送付)に受給者および扶養親族等の個人番号(マイナンバー)の記載が必要となり、マイナンバーの確認作業期間を多くとる必要があるために、早くなったようです。
また、税制改正により控除対象となる配偶者の要件が変更となりました。昨年の配偶者の所得状況等から変更がない場合であっても、平成29年分申告では控除対象でない配偶者が平成30年分の申告では控除対象となる場合や、平成29年分申告では控除対象であった配偶者が平成30年分の申告では控除対象とならない場合があります。
そのため、記載様式も変更しているので、分かりにくく感じられる方もいるかもしれません。
そもそも、こういった書類ってとても分かりにくいですし、一番大事なことは、この書類、出さないと所得控除が受けられませんので、出さないでおいておくと、税金が多くひかれます!!
書類の名前で勘違いされて、扶養親族がいないから出さなくてもいいやと思って提出しないでおくと、ご自身の基礎控除も受けることができませんので、控除を受けるために提出してくださいね!
【ホームページの情報に関する免責事項】
「当ホームページ」に掲載された内容については、正確さを期しておりますが、ご利用者ご自身の責任及び判断のもとにご利用ください。ご利用者が当ホームページの情報に基づき行う一切の行為について、弊所は一切の責任を負いかねます。
具体的なご相談は、直接弊所までお願いいたします。
←「外国人のための年金研修会のご案内(2017年9月10日)」前の記事へ 次の記事へ「勉強会講師・遺族年金のこと」→